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長岡鉄男の日本オーディオ史 [書籍・雑誌]

長岡鉄男の日本オーディオ史 1950~82
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自作スピーカーで有名なオーディオ評論家 故 長岡鉄男氏の著作で、mymyさんのお勧めで読んだものです。

この第一巻は、1950~1982年のCD登場までのオーディオ機器の変遷を、製品カタログなどの古い資料を紹介しながら、前書きの通り「読み物としてのオーディオ史」が綴られています。

内容はスピーカーとアンプに重きが置かれていて、長岡氏のレビューを参考に購入したOTTO SX-111Dの前モデルSX-111(73年)や、メインスピーカーとして使っているSP-LE8T MKⅡの前モデルSANSUI SP-LE8T(66年)等の、カタログ写真や批評も載っていてちょっと嬉しくなりました。



以下、この本の前書きの紹介です。

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タグ:長岡鉄男

五味康祐 著 いい音 いい音楽 [書籍・雑誌]

五味康祐 著 いい音 いい音楽
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オーディオ評論家としても有名な芥川賞受賞作家、故 五味康祐氏の最晩年の著作で、昭和53年3月3日~54年11月17日の読売新聞(大阪)に連載された「一刀斎オーディオを語る」の著述を中心とするエッセイ集です。
五味康祐氏は昭和55年4月1日に逝去され、本稿が絶筆となったと巻末の初出誌紙一覧に記されています。
永らく絶版となっていましたが、この12月に中公文庫から復刊となり、早速読んでみたものです。

オーディオ巡礼」や「五味オーディオ教室」等の著作では、オーディオに対する姿勢といった精神論的な内容が多い様に思いますが、この本は新聞連載という事もあって、通常のオーディオ評論に近い一般向けの読み易い内容となっています。
CDが登場する直前の頃、LPに次ぐ音楽ソースだったFM放送に関する記述が豊富なのと、テレビの音声多重放送やメタルテープ、アクセサリーの類についても触れられています。



あとがきに娘さんである五味由玞子氏(故人)が書かれた「父と音楽」という文章が載っていて、康祐氏の入院中にFMエアチェックを依頼されたものの肝心なところを録り損ねてしまい、それを聴いて嘆く康祐氏のエピソードなど父娘のぬくもりの伝わってくる名文で、次の文章で締め括られています。

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タグ:五味康祐

Stereo誌 2012年1月号付録のデジタル・アンプ [書籍・雑誌]

Stereo 2012年1月号 新春特別付録:オリジナル・デジタル・アンプ LXA-OT1
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http://www.ongakunotomo.co.jp/kagutsu/k82.html
『ステレオ(音楽之友社)』誌の2010年7月号、2011年7月号は、それぞれFostex製6.5cmと8cmのフルレンジスピーカー・ユニット・キットが付録で話題となりましたが、12月19日に発売される新春号の付録は完成済みのデジタル・アンプで、透明カバーを付けて、自立させるための支柱をネジで止めれば、組み立て完了というものです。

中国製の格安デジタル・アンプは中々の性能で音が良いという話もありますし、ラックスマンとの共同企画というのに惹かれて、早速予約してしまいました。
まだ一ヶ月ほど先になりますが、どんな音がするのか楽しみです。

性能
基板のサイズ:幅94mm×奥行き92mm×高さ40mm/ACアダプター:出力12V/1A(本アンプ専用)/最大出力5W+5W(8Ω)/周波数特性:10Hz~40kHz(+0、-3dB)/高周波歪率:0.5%(1kHz/1W)/S/N:90dB(IHF-A)

概要
音量ボリューム(ノブ付)、RCAライン入力端子、プッシュ式スピーカー出力端子、DC電源端子。電源LEDが最初からアンプ本体に組み込まれていますので、ラインを接続しすぐに音を出して楽しめます(スピーカーとラインケーブルは必要になります)。

付録内容一覧
1. デジタルアンプ基板(アンプ本体)
2. PVC透明カバー(基板の上部を覆うタイプ)
3. 支柱とネジ(基板を自立させるための支柱20mm×4本)
4. ACアダプター


参考までに、フルレンジスピーカー・ユニット・キット関連の情報を纏めてみました。

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五味康祐 オーディオ遍歴 [書籍・雑誌]

五味康祐 オーディオ遍歴
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オーディオ評論家としても有名な芥川賞受賞作家、故 五味康祐氏の「西方の音」、「天の聲」等の主要著作より、クラシック音楽関連の文章は「音楽巡礼」として、オーディオ機器関連の文章が「オーディオ遍歴」として再編集され、各々19編が一冊の文庫本に纏められたものです。

「小生はただ、少しでも音楽をいい音で聴きたいと願っているにすぎない。」、「兼ねてあこがれた部品に取り替え、音が良くなったときの喜びは、格別だ。あの満ち足りたおもい-充実感は、いちど味を知ったらやめられるものではない。だからこそオーディオの泥沼にぼくらは溺れてきた。溺れるのも又言い知れぬしあわせであった。」といった端的な表現は、五味氏の様なスーパーマニアも私の様な端くれも、理想の音を追求するレベルは別次元としても、オーディオに対する基本的な思いに違いの無い事が判りとても嬉しく感じました。

一方で、「一枚でも多く、先ずいいレコードを聞くことだ。装置をいじるのは、レコードを聴きこんでからでも遅くはない。」と繰り返し強調されています。
つまり、オーディオは音楽を聴くための手段であって、若いうちは目的である音楽に重きを置くべきという考えで、両方楽しむには財力も時間も掛かることから、優先すべきは目的の音楽と仰っているのだと思います。

所詮は趣味の世界の話で手段としての道具に関心が高いのも有りだと思いつつも、私自身ハードを揃えるのに精一杯で肝心のソフトに回すお金の無かった学生時代の状況に照らし合わせ、後悔先に立たずと感じた著作です。



先に紹介した『いい音 いい音楽』のあとがきに、娘さんの五味由玞子氏が書かれた「父と音楽」という文章がありましたが、この本のあとがきにも由玞子氏の書かれた「父とオーディオ」が載っており、次の文章で締め括られています。

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タグ:五味康祐

USB DACキット DVK-UDA01 [書籍・雑誌]

「ハンダ付けなしで誰でもできる! USB DACキットではじめる高音質PCオーディオ」 DVK-UDA01
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http://www.impressjapan.jp/books/3171

USB DACはPCオーディオの必需品ですが、会社帰りに立ち寄った書店のオーディオ本コーナーで、インプレスジャパンから発売されたUSB DAC付の書籍の山積みに目が留まりました。
「キットとすることで、ケースを省く、コンデンサ交換などの自作的な楽しみを付加する」ことを基本コンセプトとしているそうで、下記の「USB DACキット開発記」をお読み頂くとその全貌が判ります。
http://av.watch.impress.co.jp/docs/topic/dackit/20120302_513902.html

■DVK-UDA01仕様
入力:USB 1.1
アナログ出力(ライン出力/ヘッドホン出力兼用):ステレオミニ
デジタル(S/P DIF)出力:RCA
対応サンプリング周波数:44.1/48KHz
対応OS:Windows 7/Vista/XP(64bit版および32bit版。いずれも最新版のServicePackを適用したもの)。
※上記OSを搭載したすべてのパソコンでの動作を保証するものではありません

■目次・内容
第1部:ハンダづけ不要のUSB DACキットで高音質を手軽に実現!
USB DACキットの使い方
これがUSB DACキットの実力だ!
USB DACキットの改造でさらなる高音質を狙う

第2部:真の高音質を引き出すソフトウェア設定
リッピングは劣化なしの"ロスレス"が基本
ビットパーフェクト再生にこだわれ!

第3部:組み立て方&使い方
USB DACキットの組み立て方
Windowsの基本的な設定方法
出力インピーダンスの調整

キットとは言え、はんだ付けなどは不要でラジオペンチのみで製作が可能となっており、ハイレゾ音源には対応しないものの、低価格かつ高音質のシンプル設計は何とも魅力的です。
ステレオ誌付録のデジタルアンプLXA-OT1と似ていて、専用ケース(木製サイドパネル付きメタルケース)やアップグレードキット(コンデンサ各種と高品位抵抗の詰め合わせ)も用意されており、USB DACを検討されている方は一考の価値ありと思います。


タグ:DVK-UDA01 USB_DAC
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