五味康祐 著 いい音 いい音楽 [書籍・雑誌]
五味康祐 著 いい音 いい音楽
オーディオ評論家としても有名な芥川賞受賞作家、故 五味康祐氏の最晩年の著作で、昭和53年3月3日~54年11月17日の読売新聞(大阪)に連載された「一刀斎オーディオを語る」の著述を中心とするエッセイ集です。
五味康祐氏は昭和55年4月1日に逝去され、本稿が絶筆となったと巻末の初出誌紙一覧に記されています。
永らく絶版となっていましたが、この12月に中公文庫から復刊となり、早速読んでみたものです。
「オーディオ巡礼」や「五味オーディオ教室」等の著作では、オーディオに対する姿勢といった精神論的な内容が多い様に思いますが、この本は新聞連載という事もあって、通常のオーディオ評論に近い一般向けの読み易い内容となっています。
CDが登場する直前の頃、LPに次ぐ音楽ソースだったFM放送に関する記述が豊富なのと、テレビの音声多重放送やメタルテープ、アクセサリーの類についても触れられています。
あとがきに娘さんである五味由玞子氏(故人)が書かれた「父と音楽」という文章が載っていて、康祐氏の入院中にFMエアチェックを依頼されたものの肝心なところを録り損ねてしまい、それを聴いて嘆く康祐氏のエピソードなど父娘のぬくもりの伝わってくる名文で、次の文章で締め括られています。
「父と音楽 五味由玞子」 より抜粋
父は、ひとくちに言ってしまえば、純真な音キチである。いい音を求め、音楽を愛した一人の青年である。私はこの父の娘として生まれて本当に幸福であった。心からの感謝を献げたい。そして、これからも、すばらしい音楽を心をこめて聴いてゆきたい。音楽は、なにものにもかえがたい父の遺産なのだから。
オーディオ評論家としても有名な芥川賞受賞作家、故 五味康祐氏の最晩年の著作で、昭和53年3月3日~54年11月17日の読売新聞(大阪)に連載された「一刀斎オーディオを語る」の著述を中心とするエッセイ集です。
五味康祐氏は昭和55年4月1日に逝去され、本稿が絶筆となったと巻末の初出誌紙一覧に記されています。
永らく絶版となっていましたが、この12月に中公文庫から復刊となり、早速読んでみたものです。
「オーディオ巡礼」や「五味オーディオ教室」等の著作では、オーディオに対する姿勢といった精神論的な内容が多い様に思いますが、この本は新聞連載という事もあって、通常のオーディオ評論に近い一般向けの読み易い内容となっています。
CDが登場する直前の頃、LPに次ぐ音楽ソースだったFM放送に関する記述が豊富なのと、テレビの音声多重放送やメタルテープ、アクセサリーの類についても触れられています。
あとがきに娘さんである五味由玞子氏(故人)が書かれた「父と音楽」という文章が載っていて、康祐氏の入院中にFMエアチェックを依頼されたものの肝心なところを録り損ねてしまい、それを聴いて嘆く康祐氏のエピソードなど父娘のぬくもりの伝わってくる名文で、次の文章で締め括られています。
「父と音楽 五味由玞子」 より抜粋
父は、ひとくちに言ってしまえば、純真な音キチである。いい音を求め、音楽を愛した一人の青年である。私はこの父の娘として生まれて本当に幸福であった。心からの感謝を献げたい。そして、これからも、すばらしい音楽を心をこめて聴いてゆきたい。音楽は、なにものにもかえがたい父の遺産なのだから。
タグ:五味康祐
中公文庫から復刻ですか。
読んでみたいですね。
by そらへい (2011-02-11 18:34)
この本は他の著作との重複が少ないのでお勧めです。
by coregar (2011-02-12 11:53)